CBR250R 買取

国内のレース業界を盛り上げるキッカケに

国内のレース業界を盛り上げるキッカケに

 

先行して発売されていたカワサキninja250rのお陰で、多くの人がサーキットに戻って来ました。また様々なライディングスクールがあり、「これからサーキットを走りたい」と言う方も増えました。
そこにこのCBR250Rの登場で、ホンダユーザーも多くが購入しました。ホンダがワンメイクレースの開催を新車発表会で同時に発表したので、もの凄く興奮しました。
というのも、それまでミニバイクレースで活躍していたライダーは、サーキットでロードレースをするにはRS125かST600を選んでましたが、motogpが2サイクルを廃止し、125ccクラスはmoto3クラスとして4サイクル250ccのルールに変わりました。
これで国内も猶予期間を設け2スト4ストの混走となりましたが、上を目指すのであれば始めから4ストのNSF250Rに乗らないと時間が勿体無いので、そうしたいのですが、問題がありました。

 

NSF250Rは車体価格が税込み¥175万円(2011年発売当時)もしました。走り出す前にこの金額は非常に厳しいです。これはレースが人気で参加者が多かった時代とは違って、数が多く売れなければ価格は高くなる市場原理で、HRCとしても仕方ない選択だったのだと思います。
NSR250Rが発売開始され、数年後、鈴鹿のテクニカルスポーツがこのNSFになって「遂に1台も予約が入らないまま年を越す事になった。時代が変わった」とブログに書いていました。テクニカルスポーツと言えばRS125を一番売っていたショップで、昔は予約で100台以上売っていたみたいです。

 

ちょっと古いデータになりますが、1998年式のRS125が同じ位のパワーで¥87万円、1998年式のRS250が179万円でした。当時もノービス、国内B級でRS250の乗ろうとすると、お金持ち以外は非常に苦しい生活を強いられました。転倒、大きな修理になると致命傷でした。ミニバイクで活躍して、「さあこれから」という時期に、新車のNSF250Rを購入して1年戦うと、ランニングコストや修理代、メンテを入れて幾ら掛かるのか?400万位行くのでは無いでしょうか?これは正直、一家総出で掛からないと厳しい数字です。

 

レーサークラスがこの状態なので、鈴鹿4時間耐久にも出られるプロダクションクラスのST600はレースベース車が¥99.6万円でした。これに色々とパーツを組み込んで行くとショップコンプリートで¥135万円でした。若干安くなりましたが、ST600はスピードが高く車重が重いので、転倒すると結構ひどい状態になります。こちらも年間300万は用意しないとチャンピオン争いは厳しいと思います。タイヤが高いです。
こういった状況で、NSF250R¥175万円、ST600仕様が¥135万円、RS125が約¥90万円。
レースはとてもハードルが高い物になりました。一番のネックは、昔は新車で買ったRS125は翌年50万円前後、RS250は翌年100万円前後で売却出来たのです。
これが今の時代、翌年売却できない可能性が非常に高く、そうなるとレース自体の継続が難しくなります。この様な形でレースは打開策が無いまま体系的に先細りして行きました。

 

そこに2010年10月、CBR250Rがレース仕様と共に発表され、コンプリートでは、ハニービー仕様で、FRPカウル、マフラー、バックステップ、その他付きで約¥57万円でした。
このCBR250Rコンプリートの格安感は、正直驚きでした。しかもHRCが主催し、全国でワンメイクレースを開催し、年末にもてぎでチャンピオンカップを開催するという、素晴らしい枠組みも発表され、レース雑誌も後援する形で一気に参加者が爆発しました。
同時にアジア選手権にCBR250Rアジアドリームカップが組まれ、この優勝者にはホンダが様々なサポートを行ってくれました。アジアまでつながるレースにミニバイクを卒業した若いレーサーが流入して来るようになりました。
こういった、レースを盛り上げるキッカケになったのも、メーカーが久しぶりに力を入れて来たからだと思います。レーサークラスでなくとも、「国内、アジアで上位を走れば翌年に希望がつながる」これはレースをする上でとても大事な事で、毎年速いライダーを排出しています。そんな素晴らしいベースバイクがCBR250Rなんです。